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賃貸保証の民法改正 ~弁護士実務における状況~

新宿・青梅・あきる野の弁護士法人アズバーズ,代表弁護士の櫻井俊宏です。

前回お話した包括根保証の民法改正について,賃貸借契約に注目してお話したいと思います。

1 連帯保証とは

賃貸借契約においては,ほとんどの場合,「連帯保証人」という者が設定されます。

連帯保証人というのは,債務者本人と同じ責任を負う者です。

通常の「保証人」という場合は,催告・検索の抗弁権(民法452条,453条)という権利があります。
これは,「実際の債務者にまず請求してみて。」「実際の債務者がお金ないと判明したら払うよ。」と保証人が言える場合です。

つまり,ただの保証人の場合は,実は,いろいろと反論ができるのであり,そこで,通常使われている保証人は「連帯保証人」となっているのです。
気になる場合は自分の賃貸借契約書や住宅ローン契約書を今一度見てみましょう。

 

2 賃貸借契約における連帯保証人

賃貸借契約における連帯保証人は,賃借人が支払うのを遅れた賃料はもちろん,その他,賃借人が何か賃貸人に迷惑をかけた場合,その賠償金も支払うことになります。

このように,債務者本人に成り代わって幅広い内容を保証しなくてはならない保証契約を「包括根保証」といいます。
包括根保証というものについては,前回,より詳しくお話をしています。
包括根保証についてはこちら

この包括根保証契約について,前回お話したように,2020年4月からの民法改正により「最大何円まで負担することになります。」という極度額の設定をしなければ,契約として有効にならないことになりました。

この民法改正については,まだ不動産会社が対応していない場合が多いようです。
契約書フォームを改訂していないということです。


なお,実際は,すでに国土交通省が改正民法に準拠された賃貸借契約書のフォーマットを公表しています。

「(連帯保証人) 連帯保証人は、借主と連帯して、本契約から生じる借主の債務を負担するものとする。本契約が更新された場合においても、同様とする。
2.前項の連帯保証人の負担は、頭書及び記名押印欄に記載する極度額を限度とする。
3.連帯保証人が負担する債務の元本は、借主又は連帯保証人が死亡したときに、確定するものとする。
4.連帯保証人の請求があったときは、貸主は、連帯保証人に対し、遅滞なく、賃料及び共益費等の支払状況や滞 納金の額、損害賠償の額等、借主の全ての債務の額等に関する情報を提供しなければならない。」


 

3 保証会社の利用

このことから,不動産会社では,今の所,連帯保証人ではなく,以前から利用されていた保証会社を積極的に賃借人につけてもらうことによって対応してもらっているようです。

私達の弁護士法人アズバーズでも,あきる野事務所の契約,今後できる三郷事務所の物件の契約においても,保証会社をつけて欲しいと言われました。

今後実務でどのように取り扱われるかは注目です。

 

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